金沢日仏協会、岐阜日仏協会、奈良日仏協会、新潟・フランス協会から4名の方をお招きし、それぞれの協会の取り組みをご紹介いただき、今後の福井における日仏交流を考えました。
【パネリスト】
岩城紀男(金沢日仏協会)
飯塚保江(岐阜日仏協会)
野島正興(奈良日仏協会)
本間 彊(新潟・フランス協会)
○金沢日仏協会
1973年、金沢市とナンシー市が姉妹都市になったのをきっかけに、1年後その受け皿として金沢日仏協会が発足。ナンシー市は城下町で、アールヌーボー発祥の地。同じ城下町で、手工芸が盛んな金沢市と似ています。ナンシーロレーヌ仏日協会との交流活動としては、フランス革命100周年にナンシー市を訪問、姉妹都市20周年にはナンシーバレエ団金沢公演、姉妹都市提携40周年には、ナンシー市を和菓子職人が訪問しパティシエに金沢の銘菓「紫舟小出」を紹介、和菓子作りに挑戦。また日本文化展示会も開催し、ナンシー市民に生け花、盆栽、定規、書道などを体験したそうです。
そのほかにも、フランス文化紹介、シャンソンコンサート、日仏市民フォーラム、テニス親善試合、フランス職人の工芸品の紹介など、盛んな活動をされています。
○岐阜日仏協会
1965年に前日仏協会が設立されるも、形だけで活動されておらず、有志70名で1983年に設立、32周年目を迎えました。1996年にフランシュ=コンテ地方の仏日協会と姉妹協定を締結。1997年にはフランスにおける日本展を開催し、伝統工芸、和文化の人ら70名が訪仏し、交流しました。全てボランティアで、手弁当での訪問をされました。
定期的な活動は、フランス語講座、料理教室、フランスのアーティストによるライブなどを開催しています。
本当にフランスが好きな方たちが集まって、ボランティアで活動していて、みんなで作り上げる協会という印象を受けました。
○奈良日仏協会
1986年奈良市は、ベルサイユ宮殿のあるベルサイユ市と姉妹都市提携しています。文化交流や児童・生徒の絵画交換などの教育交流などを行っています。
パネリストの、会長 野島正與氏は、元NHKアナウンサーで、岩手県盛岡市勤務時代に出会った新聞社の学芸部長に誘われ、彫刻家高田博厚氏と出会う。30代から20年以上フランスに滞在し、日仏友好の懸け橋として活躍した高田博厚氏の影響を受け、日本の仏像をフランスに持っていき展示会を開きたいという思いが生まれ、協会10周年の2004年11月、12月に訪仏し、アルザス、コルマール、ストラスブール大学で奈良の仏像写真展を開催しました。
○新潟フランス協会
1991年設立。その18年後、2009年1月ナント市と姉妹都市協定を結びました。新潟と人口が似ており、国際的都市のナント市。新潟大学、専門学校と姉妹学校交流を行っています。
会員は300名、活動は主に、文化講座、語学講座、ワイン講座などを開催されています。市からの補助金は一切もらっておらず、会費、講座の参加負担金などを運営費にあてて、市民レベルでの活動を心がけています。会長の、「理事は汗を流している人で構成されるべき」「若い力が原動力」「人の輪は心が通じれば必ずつながっていく」という力強い会長の言葉が印象的でした。
質疑応答の時間では、
Q1姉妹都市提携の方法は?
−行政とのからみがあると、市民レベルでやりたいことができないことが多い。
出会いを大切に、協会が何をしたいかを考えて、実現させるのが良いのでは。
Q2姉妹提携に、何を一番望みますか?
−文化交流(金沢)、個人的な縁から姉妹都市へ(奈良)、市民間の国際交流、文化交流(新
潟)交流を深めてから姉妹都市に(岐阜)
Q3会員へのイベントなどの情報発信の方法は?
−郵便、DM(金沢)、会報を作成し、郵便で配信(新潟)、行事のお知らせを郵送(岐阜)
SNSなどが使えない人はまだたくさんいる。確実な方法での情報配信が大切。
このシンポジウムを通し、これからの福井における日仏協会の交流をどのように広げていくか、とても参考になりました。
若い会員、特に女性が中心となった福井日仏協会、人とのつながりを通して発展していく交流を求めて、これから10周年、20周年に向けてがんばっていきたいです。
文:松成由美